労働保険とは
労災保険(労働者災害補償保険法)と雇用保険(雇用保険法)を合わせて一つの保険関係として取り扱う保険を労働保険といいます。 労働者災害補償保険法、雇用保険法により、農林水産業の一部を除く全産業が当然適用となっています。従って、工場、事業所はもちろん、商店、病院、食堂等の事業所でも、労働者を1人でも雇っている事業主は、労働者が希望すると否とにかかわらず、労働保険(労災保険、雇用保険)に加入しなければならないことになっています。 |
労災保険
労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、疾病にかかった場合、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行うものです。
また、労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進を図るための事業も行っています。
労災給付の種類
- 療養(補償)給付
- 傷病(補償)給付
- 障害(補償)給付
- 遺族(補償)給付
- 葬祭料(葬祭給付)
- 介護(補償)給付
- 休業(補償)給付
雇用保険
労働者が失業した場合、雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び労働者自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職の援助を行うこと並びに高齢者や女性の職業生活の円滑な継続の援助、促進をするため必要な給付を行うものです。
また、失業の予防、雇用構造の改善等を図るための事業も行っています。
失業等給付の種類
- 求職者給付
- 就職促進給付
- 教育訓練給付
- 雇用維持給付
費用徴収制度
労災保険に未加入の事業主に対する費用徴収制度
労働者を1人でも雇っている事業主は、労災保険の加入手続を行わなければなりません。
事業主が労災保険の加入手続を怠っていた期間中に労災事故が発生した場合、さかのぼって労働保険料が徴収されるほかに、労災保険から給付を受けた金額の100%又は40%が徴収されることになります。
費用徴収の適用となる事業主等
労災保険の加入手続について行政機関(*1)から指導等を受けたにもかかわらず、手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合 | → | 事業主が「故意」に手続を行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険料給付額の100%を徴収 |
労災保険の加入手続について行政機関(*1)から指導等を受けてはいないものの、労災保険の適用事業となったときから1年を経過して、なお手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発声した場合 | → | 事業主が「重大な過失」により手続を行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の40%を徴収 |
*1 労働保険適正加入推進員を含む
費用徴収の徴収金額
当該災害に関して支給される保険給付(*2)の額に100%又は40%を乗じて得た額が費用徴収の徴収金額となります。
*2 療養開始後3年間に支給されるものに限ります。また、療養(補償)給付及び介護(補償)給付は除かれます。
一般社団法人全国労働保険事務組合連合会は、厚生労働省の委託を受け、会長が委任した「労働保険適正加入推進員」を通じ、労働保険加入促進業務を行い、未手続事業の解消に努めております。